どうもゴリラ博士です。
私がダイエットを始めた頃、最も疲れたのは「食事の選択」でした。朝は何を食べるか、昼は何を選ぶか、夜はどうするか。気づけば1日に217回もの食事関連の判断を下していたという研究があります。判断を繰り返すたびに脳の認知リソースは枯渇し、夕方にはスーパーで「もう何でもいいや」と弁当を手に取っていました。
多くの人が誤解していますが、ダイエットの失敗は意志の弱さではありません。心理学者の研究によれば、私たちは1日に約35,000回もの判断を行い、意思決定を繰り返すほど判断の質が低下する「判断疲れ」という現象が起こります。特に責任ある立場の方であれば、業務で判断リソースを使い果たし、健康管理にまで意志力を回せないのは当然なのです。
私は3ヶ月で4kgの減量に成功しましたが、それは頑張ったからではありません。「朝はプロテインとバナナ」「コンビニではおにぎりとサラダチキン」と固定化し、判断そのものを排除したからです。心理学で「If-Thenプランニング」と呼ばれるこの手法は、ニューヨーク大学の研究で目標達成率を2〜3倍に高めることが実証されています。たまに食べすぎても、翌日のリカバリーも自動化されているため、一時的な増量で済みます。
本記事では、判断を減らし、健康管理を「歯磨き」のような無意識の習慣にするための具体的な設計図をお伝えします。あなたの意志力は、仕事や大切な人のために残しておいてください。
ダイエットの成否は「意志」ではなく「判断の数」で決まる
結論からお伝えします。ダイエットを成功させる唯一の道は、頑張ることをやめ、健康管理を「判断のいらないシステム」に落とし込むことです。
私がこのことに気づいたのは、ある日の帰り道でした。早めに仕事を終え、久しぶりに時間に余裕があったので、スーパーに立ち寄りました。「今日は何を食べようか」と売り場を歩き回り、ふと時計を見ると20分が経過していました。その瞬間、強い違和感を覚えたのです。「この20分、完全に無駄だ」と。

考えてみれば、その日の夕食を選ぶために使った20分は、仕事でのプレゼン資料なら2ページ分、読書なら10ページ分の時間です。しかも、結局選んだのは「疲れているから」という理由でカロリーの高い弁当でした。これは意志の問題ではなく、脳の仕組みの問題だったのです。
スーパーの20分が教えてくれた「判断疲れ」の正体
心理学者ロイ・バウマイスターの研究によれば、私たちの意志力は「筋肉」に似ています。使えば使うほど疲弊し、やがて枯渇します。この現象は「自我の枯渇(Ego Depletion)」と呼ばれ、1日に約35,000回もの判断を行う現代人にとって、避けられない生理現象なのです。
特に注目すべきは、判事を対象にした研究です。イスラエルの研究チームが刑務所の仮釈放審査を分析したところ、午前中の判事は約70%の確率で仮釈放を認可していましたが、午後になるとその確率は10%以下にまで低下していました。プロの裁判官でさえ、午後には「とりあえず現状維持(却下)」という安全策を選んでしまうのです。
これを食事選択に置き換えてみてください。朝は「健康的な選択」ができても、夕方には「手近なもの」を選んでしまう。あなたの意志が弱いのではなく、脳の認知リソースが枯渇しているだけなのです。
私が1年間で学んだ「数値が語る真実」
実は、私自身も最初は意志力に頼っていました。2024年1月、体重は約98.5kgでスタートしました。当時は「朝は糖質を摂らない」というルールを自分に課し、プロテインと生姜紅茶だけで過ごしていました。このストイックなアプローチで、4月には約96.7kgまで減量できました。
しかし、4月に転職し、環境が一変しました。出張が増え、慣れない業務での判断が増えた結果、9月には98.6kgまで戻ってしまったのです。このとき、私は重要なことに気づきました。「厳しいルール」は、環境が変わると真っ先に崩壊するということです。
【補足:「糖質制限」の落とし穴】
糖質を完全にカットする方法は、短期的には効果が出やすい反面、脳のエネルギー源であるグルコース(糖分)が不足し、判断力がさらに低下するリスクがあります。特に判断業務の多い方には、適度な糖質摂取が重要です。私が10月からバナナを朝食に加えたのは、この「脳の燃料補給」のためでした。
「考える回数」を減らした者が勝つ
転職後の体重増加を受け、私は方針を180度転換しました。「何を食べるか」ではなく、「何を考えないか」に焦点を当てたのです。
具体的には、以下のように判断を固定化しました:
- 朝食:プロテイン+バナナ(思考ゼロ)
- コンビニ:おにぎり+サラダチキン(店内を歩き回らない)
- 起床時間:出張でも休日でもAM6:00(体内時計を乱さない)
- 休日の運動:朝の1時間ウォーキング(場所を選ばない)
この「判断の固定化」により、12月時点で体重は約95.7kgまで下がり、さらに重要なのは、リバウンドが起きなくなったことです。一時的に食べすぎても、翌日の朝食は「プロテイン+バナナ」と決まっているため、自動的にリカバリーモードに入るのです。
資産運用と同じ「長期投資」の視点
ここで少し話が脱線しますが、私はこのプロセスを資産運用に例えて考えるようになりました。短期的な「株価(体重)」の上下に一喜一憂するのではなく、長期的なトレンドライン(移動平均)を見る。1日200gの増減は、水分や食事のタイミングによる「ノイズ」に過ぎません。
重要なのは、週単位、月単位での平均値です。実際、私の体重グラフを見ると、4月から12月までの間に何度も上下動がありますが、全体としては緩やかな右肩下がりのトレンドを描いています。これが「崩れない設計」の本質です。

【不安へのフォロー】
「固定化すると栄養が偏りませんか?」という疑問を持つ方もいるでしょう。ここで重要なのは、全ての食事を固定化するわけではないという点です。私の場合、固定化したのは「朝食」と「コンビニでの選択」だけで、夕食は比較的自由に選んでいます。判断を減らすべきは、「認知リソースが枯渇している時間帯」だけなのです。
多くの人が誤解していますが、ダイエットは特別なイベントではなく、歯磨きのように「意識の外」で行われるべきものです。仕事で重要な決断を繰り返すあなたが、さらに「何を食べるか」「いつ運動するか」という判断を自分に強いてはいけません。
次のセクションでは、なぜ「頑張る」というアプローチが科学的に間違っているのか、脳の仕組みから詳しく解説します。
なぜ「頑張り」は必ず挫折を招くのか
「もっと頑張らなきゃ」「今度こそ続けよう」——こうした決意が3日で終わってしまうのは、あなたの性格の問題ではありません。人間の脳の構造上、「頑張り」は長続きしないようにプログラムされているのです。
脳は「エネルギー節約モード」で動いている

人間の脳は、体重の約2%しかないにもかかわらず、全エネルギーの約20%を消費する大食漢です。そのため、脳は常に「いかに省エネで動くか」を最優先に考えています。これは進化の過程で獲得した、生存のための合理的な戦略です。
この「省エネモード」が意味するのは、脳は新しい判断や決断を極端に嫌うということです。「今日の昼食は何にしようか」「運動するかしないか」といった選択は、脳にとっては無駄なエネルギー消費にほかなりません。
心理学者のロイ・バウマイスターが行った有名な実験があります。被験者をAグループとBグループに分け、両グループに難しい問題を解いてもらいました。ただし、Aグループには事前に「クッキーを我慢する」という課題を与えました。結果、クッキーを我慢したAグループは、Bグループよりも問題を解く時間が著しく短く、早々に諦めてしまったのです。
これが「自我の枯渇(Ego Depletion)」と呼ばれる現象です。意志力は有限のリソースであり、使えば減り、回復には時間がかかります。まさに、スマートフォンのバッテリーのようなものなのです。
「45%の行動」は無意識で行われている
ここで重要なのが、デューク大学の研究結果です。この研究によれば、私たちの日常行動の約45%は「習慣」によって構成されています。つまり、歯磨き、通勤ルート、朝のコーヒーなど、考えずに自動的に行っている行動が、人生の半分近くを占めているのです。
この数字が示唆するのは、ダイエットを成功させるカギは「意志力を強化すること」ではなく、「健康的な行動を習慣化すること」だということです。習慣化された行動は、脳のエネルギーをほとんど消費しません。なぜなら、脳の「大脳基底核」という部分が自動操縦してくれるからです。
【補足:習慣が形成される期間】
「習慣化には21日かかる」という俗説がありますが、ロンドン大学の研究では、実際には平均66日かかることが分かっています。ただし、行動の複雑さによって18日〜254日と大きな幅があります。重要なのは日数ではなく、「毎日同じトリガーで同じ行動を繰り返す」ことです。
判断疲れは「夕方以降」に加速する
私自身、転職直後の9月に体重が98.6kgまで戻ったとき、夕方の行動パターンを振り返ってみました。すると、ある共通点が見えてきました。
疲れて帰宅する夕方、無意識にスーパーに立ち寄り、本来買う予定のなかったスナック菓子や揚げ物を買ってしまう。朝は迷わず「プロテインと生姜紅茶」を選べていたのに、夕方になると脂っこいものが無性に食べたくなり、判断力が著しく低下していました。「疲れているから」という理由で、自分を正当化してしまうのです。
これは、フロリダ州立大学の研究でも裏付けられています。研究によれば、脳の前頭前野(判断を司る部分)は、午前中に比べて午後には機能が低下し、特に17時以降は「安全策(いつもの選択)」か「衝動的な選択(目の前の快楽)」のどちらかに偏りやすくなります。
つまり、夕食こそが最もシステム化すべき食事なのです。にもかかわらず、多くの人は「夕食は自由に楽しみたい」と考え、最も判断力が低下している時間帯に、最も難しい選択を自分に強いているのです。
「完璧主義」が挫折を生む科学的メカニズム
ここで少し脱線しますが、私は以前、「朝に糖質を摂らない」という朝食ファスティングの一種を実践していました。いわゆる「16時間断食」の考え方に近く、夕食から翌日の昼食まで固形物を摂らないアプローチです。このアプローチで4月には96.7kgまで減量できましたが、転職という環境変化で一気に崩壊しました。
心理学では、これを「抑制の反動効果(Ironic Process Theory)」と呼びます。「○○してはいけない」と強く意識すればするほど、脳はその「○○」に注意を向けてしまい、結果的に「○○」をしてしまう確率が高まるのです。
例えば、「白い熊のことを考えないでください」と言われると、頭の中は白い熊でいっぱいになります。これと同じで、「朝食を抜かなければいけない」「スナック菓子を買ってはいけない」と考えるほど、脳はそのことばかり考えてしまうのです。
さらに、完璧主義的なルールには「1回でも破ったら終わり」という「オール・オア・ナッシング思考」が伴います。1度ルールを破ると、「もうどうでもいいや」と完全に放棄してしまう。これが、多くのダイエットが失敗する本質的な理由です。
【不安へのフォロー】
「でも、ルールを緩くしすぎたら、逆に何も続かないのでは?」と心配する方もいるでしょう。ここでのポイントは、「厳しさ」ではなく「自動化の度合い」です。例えば「朝はプロテインとバナナ」というルールは、一見シンプルですが、「考える余地を残さない」という意味で非常に強力なのです。
「崩れない設計」とは何か
私が10月から朝食にバナナを追加したのは、「セカンドミール効果」を期待してのことでした。これは、最初の食事(ファーストミール)が、次の食事(セカンドミール)後の血糖値上昇を抑える効果のことです。朝にバナナを摂ることで、昼食後の血糖値スパイクを抑え、午後の眠気や空腹感をコントロールできます。
朝食ファスティングは確かに効果的でしたが、出張でもスーパーでバナナを買うだけ、という「誰でもどこでもできる行動」に変更した方が、長期的には圧倒的に強いと判断しました。「食べない」という制限より、「これを食べる」という明確な行動の方が、脳にとっては実行しやすいのです。
これが「崩れない設計」の本質です。100点の完璧なルールよりも、60点だけど365日続けられるルールの方が、1年後には圧倒的な差を生みます。
次のセクションでは、この「崩れない設計」を具体的にどう作るのか、4つのステップで解説します。
「考えなくていい仕組み」を作る4つの設計図
ここからは、実際に私が実践している「判断を排除するシステム」を、4つのステップでご紹介します。これらは出張や多忙な日常を想定した、再現性の高い設計図です。
1. 「If-Thenプランニング」による判断の外部化
最も効果的だったのが、「もし〜なら〜する」というルールをあらかじめ設定し、脳の実行機能を外部に預ける方法です。心理学では「実装意図(Implementation Intention)」と呼ばれ、ニューヨーク大学のピーター・ゴルヴィッツァー教授の研究では、目標達成率が2〜3倍に高まることが実証されています。

私が実際に設定しているIf-Thenルールは以下の通りです:
【朝のルーチン】
- もしAM6:00に起床したら → プロテインとバナナを摂る(思考ゼロ)
- もし出張なら → 前日夜にプロテインを小分けにして荷物に入れ、現地のスーパーでバナナだけ買う(コンビニより安く、プロテインは持参の方が経済的)
【コンビニ利用時】
- もしコンビニに入ったら → おにぎり売り場とサラダチキンコーナーに直行し、他の棚を見ない
- もし店内を移動する際は → お菓子コーナーは物理的に通らないルートを選ぶ(入口からレジまでの最短距離を事前に把握しておく)
【出張先のホテル】
- もしホテルに朝食バイキングがあっても → 基本的に使用せず、部屋でプロテインとバナナを摂る(判断の機会を作らない)
- もしどうしてもバイキングを利用する場合は → タンパク質(卵料理、納豆、鮭など)を中心に取り、炭水化物は最小限にする
このルールの重要なポイントは、「もし」の部分が頻繁に起こる状況であること、そして**「なら」の部分が簡単に実行できる行動であること**です。
【補足:セカンドミール効果の活用】
朝のバナナには、もう一つ重要な役割があります。「セカンドミール効果」といって、最初の食事が次の食事後の血糖値上昇を抑える効果です。朝にバナナを摂ることで、昼食後の血糖値スパイクが抑えられ、午後の眠気や集中力低下を防げます。判断業務の多い午後に、この効果は非常に大きいのです。
2. スマートデバイスによる「数値の脱感情化」

体重計の数字に一喜一憂するのは、データの読み解き方を間違えているからです。私は以下のアプローチで、数値を「感情」から切り離しました。
【自動記録の徹底】 私が使っているのは、スマートフォンのヘルスケアアプリと連動する体組成計です。毎朝6:00起床後、トイレを済ませてから体重計に乗る。この行動は完全にルーチン化されており、記録を手入力する手間がゼロです。
ここで重要なのは、「測定」と「記録」を切り離さないことです。手書きのノートやエクセルに入力する作業は、それ自体が判断を要求します。「今日は測定したけど、記録は後で…」が、習慣崩壊の始まりなのです。
【トレンド分析:1日の増減は無視する】 私が見ているのは、体重の「日々の変動」ではなく、「7日間の移動平均線」です。これは資産運用のチャート分析と全く同じ考え方です。
例えば、会食の翌日に1kg増えていても、それは水分や消化中の食物の重量であり、実際の脂肪増加ではありません。重要なのは、週単位、月単位での平均値が右肩下がりになっているかどうかです。
私の実際のグラフを見ると、4月に96.7kg、9月に98.6kgまで戻りましたが、10月からのシステム化により、12月には95.7kgまで下がっています。この「大きなトレンド」を見ることで、日々のノイズに振り回されなくなりました。
【不安へのフォロー】
「スマートデバイスは高価では?」と感じる方もいるでしょう。確かに初期投資は必要ですが、考えてみてください。ジムの月会費8,000円を1年払えば96,000円です。一方、スマート体組成計は5,000円〜10,000円で購入でき、アプリは無料です。記録の自動化に投資することで、継続率が劇的に上がるなら、これほどコストパフォーマンスの高い投資はありません。
3. 代謝を自動制御する「睡眠と光」のハック

無理な運動よりも、食欲を司るホルモンを整える方がはるかに効率的です。私が実践しているのは、以下の2つです。
【起床時間の固定:AM6:00の絶対ルール】 出張の日も、休日も、必ずAM6:00に起床します。これは体内時計(サーカディアンリズム)を乱さないための最重要ルールです。
睡眠研究によれば、起床時間が毎日2時間以上ずれると、体内時計が狂い、食欲ホルモン(グレリン)の分泌リズムが乱れます。その結果、空腹でもないのに「何か食べたい」という偽の食欲が発生するのです。
平日は6:00起床でも、休日は8:00まで寝たい——その気持ちは分かります。しかし、その2時間のために、翌週1週間の食欲コントロールを犠牲にする価値があるでしょうか?私は「ない」と判断しました。
【休日朝の1時間ウォーキング】 休日の朝、6:00に起床したら、7:00から1時間のウォーキングを行います。これは運動強度を上げるためではなく、朝日を浴びることでセロトニン(幸福ホルモン)を分泌させ、15時間後(夜22:00)に自然な眠気を誘発するメラトニンに変換させるためです。
つまり、朝の1時間ウォーキングは、「その日の夜の睡眠」を予約する行為なのです。良質な睡眠が取れれば、翌日の判断力が維持され、夕方のスナック菓子への衝動も減ります。
ここで少し脱線しますが、私は以前「夜の食後に30分ウォーキング」を試みたことがありました。しかし、これは全く続きませんでした。理由は単純で、夕食後の疲れた状態で「行くか行かないか」を判断すること自体がストレスだったのです。「今日は疲れているから」「雨が降りそうだから」と、毎回言い訳を探している自分がいました。
一方、休日の朝は判断の余地がありません。「AM6:00に起きたら、7:00にウォーキング」と決まっているからです。しかも、朝は誰にも邪魔されない静かな時間で、判断リソースもフル充電されています。
【追加の内部リンク提案】
睡眠と代謝の関係については、別記事『睡眠不足が「偽の食欲」を生むメカニズム:グレリンとレプチンの科学』で詳しく解説しています。科学的な根拠をより深く知りたい方は、そちらもご参照ください。
4. 資産形成としての「長期投資」視点

最後に、最も重要なマインドセットをお伝えします。ダイエットを短期の「削り取り」ではなく、人生の「積立投資」と捉え直すことです。
【1日100kcalのマイナスを淡々と積み上げる】 私が目指しているのは、月に2kg減らすことではありません。1日あたり100kcal(おにぎり約半分)のマイナスを、365日継続することです。
計算してみましょう。1日100kcalのマイナス × 365日 ≒ 36,500kcal。脂肪1kgを減らすには約7,200kcalの消費が必要なので、年間で約5kgの減量になります。劇的ではありませんが、退場しない設計です。
実際、私の体重推移を見ると、1月98.5kg → 12月95.7kg で、約2.8kgの減量です。途中で転職という大きな環境変化があり、9月には98.6kgまで戻りましたが、システムが機能しているため、再び下降トレンドに戻りました。
【「崩れた日」も想定内】 もし会食で食べすぎても、翌朝の行動は変わりません。「プロテインとバナナ」です。考える必要はありません。ルーチンを変えず、淡々と継続する。この「変えない」ことこそが、リバウンドを防ぐ最大の武器です。
資産運用で言えば、一時的に株価が下がっても「売らずに保有し続ける」戦略と同じです。短期的なノイズに反応せず、長期的なトレンドを信じる。この視点があれば、1日の体重増加に動揺することはなくなります。
ここまでが、私が実践している「判断を捨てる」ための4つの設計図です。重要なのは、これらは「頑張る」ための方法ではなく、「頑張らなくても勝手に動く」ための仕組みだということです。
次のセクションでは、今日から始められる「最小の一歩」をお伝えします。
今日から始める「判断を捨てる」一歩
ここまで読んで、「なるほど、理屈は分かった。でも何から始めればいいのか?」と感じている方も多いでしょう。安心してください。いきなり全てを実践する必要はありません。
最後に繰り返します。あなたの意志力は、仕事や大切な人のために残しておいてください。
今日、この瞬間にできる「たった1つの決断」
今日からできる最小行動は、**「明日の朝、何を食べるか(あるいは食べないか)を今この瞬間に決めて、迷う余地を消すこと」**です。
具体的には、寝る前に以下を決めてください:
- 明日の朝食を固定する
- 例:「プロテインとバナナ」「ゆで卵2個とトマト」「納豆ごはんと味噌汁」
- 重要なのは、「何が健康的か」ではなく、「明日の朝に迷わないこと」です
- 必要なら、今夜準備する
- バナナがなければ、今メモに「明日の帰りにスーパーでバナナ購入」と書く
- プロテインを小分けにして、キッチンの見える場所に置く
- 「明日の朝、考える」を禁止する
この「たった1回の決断」が、明日の朝の5分間を節約し、その5分が1週間で35分、1年で約30時間になります。30時間あれば、何冊の本が読めるでしょうか?どれだけの家族との時間が生まれるでしょうか?
「完璧な1日」より「崩れようがない設計」
私が1年間で学んだ最も重要な教訓は、「100点の1日を作ろうとするな」ということです。
私のグラフを見てください。4月に96.7kg、9月に98.6kg、12月に95.7kg。きれいな右肩下がりではありません。転職という環境変化で一時的に体重は増えました。しかし、システムは崩壊していません。なぜなら、「朝はプロテインとバナナ」という単純なルールは、忙しい日でも、出張先でも、変わらず実行できるからです。
ダイエット本の多くは「理想の1日」を提示します。しかし、現実には理想の1日など訪れません。会食があり、出張があり、子どもの行事があり、突発的な残業があります。だからこそ、**「どんな日でも0点にならない設計」**が必要なのです。
【不安へのフォロー】
「でも、同じものばかり食べて飽きませんか?」という質問をよく受けます。実は、これは逆です。朝食は「作業」であり、「楽しみ」ではありません。歯磨きに飽きないのと同じで、習慣化されたものに「飽きる」という感情は発生しません。むしろ、毎朝「何を食べようか」と悩む方が、精神的な疲労が大きいのです。
一発逆転を狙わず、淡々とシステムを運用する
資産運用の世界に「複利の魔法」という言葉があります。毎日1%の改善を365日続けると、1年後には37倍になるという計算です。もちろん、これは理論値ですが、重要なのは「小さな改善の積み重ね」という考え方です。
私が実践しているのは、まさにこれです。劇的な変化を求めず、1日100kcalのマイナスを淡々と積み上げる。「今日は会食で食べすぎた」→「明日の朝もプロテインとバナナ」。この静かな一貫性こそが、あなたを理想の状態へと運びます。
システムは「育てる」もの
最後に、1つ重要なことをお伝えします。私が今実践している「朝食固定」「起床時間固定」「休日朝ウォーキング」というシステムは、最初から完璧だったわけではありません。
最初は「朝食ファスティング」から始まり、転職という環境変化で一度崩壊し、「セカンドミール効果」を学んでバナナを追加し、「夜の食後ウォーキング」が続かないと気づいて朝に変更し——このように、試行錯誤を繰り返して現在の形になりました。
つまり、システムは「最初から完璧に設計する」ものではなく、「使いながら育てる」ものなのです。あなたも、まずは「明日の朝食を固定する」という小さな一歩から始めてください。1ヶ月続けば、それはもう「システム」です。3ヶ月続けば、それは「あなたの一部」になります。
FAQ:よくある迷いへの回答

読者の方から寄せられる質問や、私自身が実践する中で感じた疑問について、いくつかお答えします。
Q1:出張先での会食で、どうしてもルールが守れない時は?
A: 会食は「投資先(人間関係)」を維持するための大切な業務です。その場は楽しみ、翌日の朝食は変わらず「プロテインとバナナ」を摂ってください。
重要なのは、会食で食べすぎたことを「失敗」と捉えないことです。システムが崩壊するのは、「1回ルールを破った→もうどうでもいい」というオール・オア・ナッシング思考に陥った時です。私の場合、9月に体重が98.6kgまで戻りましたが、朝のルーチンだけは維持し続けたことで、12月には95.7kgまで戻りました。
会食は「システムの例外」ではなく、「システムに組み込まれた変数」なのです。
Q2:毎日同じものを食べて、栄養バランスは大丈夫ですか?
A: 固定化するのは「朝食」だけです。昼食や夕食は比較的自由に選んでいますので、1日全体で見れば栄養は十分に摂取できています。
むしろ、「栄養バランスを考えて毎朝違うものを食べなきゃ」と考える方が、判断リソースの無駄遣いです。朝食で完璧な栄養バランスを目指すのではなく、**「判断リソースが最もフルチャージされている午前中の時間を、仕事や大切なことに使う」**という視点の方が、長期的には有益です。
もし栄養面が気になる方は、マルチビタミンのサプリメントを追加するという選択肢もあります。これも「朝のプロテインと一緒に飲む」と決めておけば、判断は発生しません。
Q3:スマート体組成計やプロテインなど、初期投資が負担です。
A: 確かに初期コストは発生します。しかし、視点を変えてみてください。
- スマート体組成計:5,000円〜10,000円(一度きり)
- プロテイン:月3,000円程度
- バナナ:1房100円〜150円(週1〜2回)
一方、ジムの月会費は平均8,000円です。1年で96,000円。しかも、「行くか行かないか」の判断が毎回発生します。
私が提案しているのは、「設備投資」ではなく、「判断を減らすためのインフラ投資」です。スマート体組成計があれば記録が自動化され、継続率が劇的に上がります。結果として、3年後、5年後に振り返った時の「健康資産」のリターンは計り知れません。
また、プロテインは出張先のスーパーで買うと割高なので、私は家から小分けにして持参しています。Amazonなどでまとめ買いすれば、1食あたり100円以下に抑えられます。
Q4:起床時間を固定すると、休日も早起きしなければならないのが辛いです。
A: この気持ちは非常によく分かります。私も最初は「せめて休日くらいゆっくり寝たい」と思っていました。
しかし、体内時計(サーカディアンリズム)の研究によれば、起床時間が2時間以上ずれると、食欲ホルモン(グレリン)の分泌リズムが乱れ、翌週の食欲コントロールが難しくなります。つまり、休日の2時間の寝坊のために、月曜日から金曜日までの5日間、偽の食欲と戦うことになるのです。
私は「AM6:00起床」を固定したことで、むしろ休日の朝の時間が増え、7:00からのウォーキングでリフレッシュできています。「早起き=辛い」ではなく、「早起き=自分の時間が増える」と捉え直すことで、継続できています。
どうしても辛い場合は、まずは「平日だけAM6:00固定」から始め、徐々に休日も合わせていくという段階的なアプローチも有効です。
Q5:システム化してから、どのくらいで効果を実感できますか?
A: 「体重の変化」と「習慣の定着」は、タイムラグがあることを理解してください。
私の経験では、朝食を固定化してから約2週間で「朝に迷わなくなった」という精神的な楽さを実感しました。体重の変化が明確になったのは、1ヶ月後です。
重要なのは、「2週間で効果が出ないからやめる」という短期思考を捨てることです。ロンドン大学の研究では、習慣が完全に定着するまで平均66日かかるとされています。つまり、最低でも2ヶ月は「システムが自分の一部になるまでの投資期間」だと考えてください。
私の場合、10月にバナナを追加し、12月には95.7kgまで下がりました。約2ヶ月です。この期間、グラフは毎日見ていましたが、一喜一憂せず、淡々とルーチンを続けました。資産運用と同じで、**「時間を味方につける」**ことが最大のポイントです。
Q6:モチベーションが下がった時、どうやって継続していますか?
A: 実は、これが最も重要な質問です。答えは明確です。**「モチベーションに頼らない」**のです。
歯磨きにモチベーションが必要でしょうか?必要ありません。なぜなら、それは習慣だからです。私が提案しているシステムは、「頑張る」ためのものではなく、「頑張らなくても勝手に動く」ための仕組みです。
AM6:00に目が覚める → トイレに行く → 体重計に乗る → プロテインを飲む → バナナを食べる。この一連の流れは、もはや「やる気」を必要としません。朝起きたら自動的に体が動くのです。
もしモチベーションが下がったと感じたら、それは「システムがまだ習慣化されていない」というサインです。その場合は、もう少しハードルを下げてください。例えば、「プロテインを飲むだけ」「バナナを食べるだけ」。最小行動を続けることで、やがてそれが自動化されます。
これらのFAQが、あなたの「判断を捨てる」第一歩の参考になれば幸いです。完璧を目指さず、淡々とシステムを育てていってください。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
健康管理において、完璧な1日は必要ありません。それよりも「崩れようがない設計」を一つずつ作ることの方が、はるかに価値があります。
あなたの意志力は有限です。その貴重なリソースを、本当に大切な決断のために使ってください。ダイエットは、歯磨きと同じように、意識の外で勝手に機能するシステムであるべきなのです。
今日のあなたを、少しだけ強く。— ゴリラ博士 / Gorilla LABO


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